返信の仕方によっては、大問題に発展していた可能性も
バークレイズCEOが騙されて大きな話題になった後、英中銀イングランド銀行総裁であるカーニー総裁も被害にあいました。
カーニー総裁は、内部監督機関のチェアマンであるハブグッド氏になりすました犯人とメールのやり取りをしたとされています。
なお、カーニー総裁のケースでは、メールのやり取りの終わり方が非常に印象的。
なりすました犯人は、カーニー総裁をパーティーに誘った後、女性を雇った(文脈からパーティーのために雇った女性なのは明らか)としましたが、カーニー総裁は、「まったく適切ではない」と返信し、これ以降は会話を続けませんでした。
騙されていたことを除き、スマートに会話を打ち切ることができたのは不幸中の幸いといえます。この返答の仕方によっては、総裁としての資質が問われ、大問題となっていたことが想像できます。
犯人はさらに、ゴールドマン・サックスCEO、シティグループCEOにも犯行を仕掛けています。
ゴールドマンのケースでは、犯人はシュワルツCFOになりすまし、ブランクファインCEOとメールのやり取りをしています。
犯人は、ブランクファインCEOのユーモアに富んだツイートに関してコメント。これに関する短いやり取りが行われました。
シティグループの場合、オニール会長になりすました犯人が、コルバットCEOと、コンシューマーバンク部門トップのバードCEOとメッセージの交換をしています。
コルバット氏は(リンクを)「開くことができない」とし、それで終わりました。
一方、バード氏とは、もう少し長いやり取りが行われているので、より「騙された」感があります。
いずれの場合も、機密情報が漏れたなど確認されていませんが、もし犯人の目的が違っていたら、非常に危なかった状況といえます。
例えば、シティグループのケースでは、「リンク」に関する言及がありますが、万が一犯人が開いたら危険なリンクを送っていたらと考えると、いかにそれが危険だったかが分かります。