「嘘で嘘を塗り固めること」に耐えられず経産省を退職した【雇われない生き方】

髙坂勝

ワンセブン / PIXTA(ピクスタ)

 人はなぜ働くのか? 人の数だけその理由はあるだろうし、答えのない問いかもしれない。

 マイナビニュースによると、2017年卒の大学生と院生への調査で「就職を決めた企業を選んだ理由」では、「社会貢献度が高い」が31.6%で1位。次いで、「職場の雰囲気がいい」「仕事内容が魅力的」と続く。かつては知名度や安定性などが上位を占めたが、社会貢献度を重視する傾向は近年増している。「社会貢献度が高い」は、言い換えれは「誰かのためになる」「世の中のためになる」とも言える。さらには「ありがとうと言ってもらえる」「感謝される」と言い換えてもいいだろう。

 ところが、である。小さなオーガニックバーを営んでいる私の元には、日々多くの離職者が訪ねてくる。その都度、離職の理由を聞くのだが、断然多いのが、自分の仕事が「何のためにもならない」、「社会を悪くすることに耐えられない」の類だ。昨今のニュースを賑わす、企業不祥事、経済事件、官僚の偽証がそれをつぶさに物語っている。

自分の仕事が武器産業や戦争産業にかかわっている!?

 ある日、自動車の金型を製造する企業に勤めてる男性が訪ねてきたことがある。

「最近、会社が受注してくる金型が、どう考えても自動車部品でないものが増えているんです。上司に聞いてもなぜかあやふやにされて教えてくれない。今まではそんなことはなかったんですが。おそらく武器に関わるものだと気づいてしまったんです」

 先日訪ねてきた「外資系IT企業を辞めた」という女性は、対テロ対策の盗聴や犯罪防止監視テクノロジーから転換した技術を販売する業務に関わっていた。

「物事は表裏一体だから、『巡り巡って戦争に関与しているのかも』と思い始めたら、勤務を続けるのが苦しくなりました。会社はとにかく売上至上主義で、現場のスタッフは苛酷な労働条件で勤務していましたが、会社は『社員が病気になっても利益が上がればいい』という雰囲気でした。無関心を装って、心をなくさないと居られない環境は辛かったです」

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都合の悪いことを隠蔽する資料作成業務

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