「ダンジョン化」する駅の救世主?Googleストリートビューに「駅構内ビュー」登場!

活用方法広がるストリートビュー、「疑似ショッピング体験」も

 駅構内ビューのように、日本国内で「公道外」でのGoogleストリートビュー公開が開始されたのは2009年のこと。そのきっかけは、Google Japanが提携した事業者の施設内に配信対象範囲を広げる「パートナープログラム」を始めたことだった。 ※【ストリートビュー】立命館大学びわこくさつキャンパス  例えば、2010年からはこのパートナープログラムを利用するかたちで九州大学、立教大学、立命館大学、APUなどの一部大学が受験者や来校者のサポートを目的として構内施設のストリートビュー配信を開始。2017年現在は、国公立・私立問わず100以上の大学がキャンパス内でのストリートビュー配信を行っている。 ※【ストリートビュー】九州大学別府病院  また、イオン、セブンアンドアイ、丸井、パルコ、三菱地所、東急不動産、JR九州などは、自社の一部商業施設においてインドアストリートビューの配信を開始しており、店舗に来店することなく「疑似ショッピング体験」を味わうことができる。 ※【ストリートビュー】「イオンモール岡山」(岡山市)では地下2階から屋上まで全館での疑似買物体験が可能。開放的な吹き抜けでは各種イベントが開催されることもある。事前散歩をしておけばイベント観覧もバッチリだ  こうした大型店のインドアストリートビューは、例えば「好みのショップが入っているデパートを見つけたけれどショップの規模や雰囲気が分からない」という時や、「ショッピングセンターで行われるイベントに参加したいが何処から見ればいいのか分からない」という時などにも活躍しそうだ。  Google Japanでは2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震発生直後から被災地の記録も行っており、2014年に導入された過去のストリートビューとの比較ができる「タイムマシン機能」と合わせて震災前との比較も出来るようになった。  また、とくに大都市圏では再開発によってかつての街並みが数年で一変することは往々にあり、この先、ストリートビューのアーカイブ性はさらに大きな意味を持つものになろう。  次の休みには、今一度「Googleストリートビュー」でまだ見ぬ街へと、そして見慣れた街の過去へと旅立ってみてはどうだろうか。 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」 ※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・高島屋羽田空港店、5月25日閉店-大丸も8月27日閉店、伊勢丹が制した羽田空港の百貨店競争GAP渋谷店、5月7日閉店-GAP日本旗艦店の1つイーアス高尾、6月22日開業-八王子最大級のショッピングセンターに
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会