増加するアボカド需要とNAFTA見直しの板挟みでトランプが選んだ「切り札」とは?

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 メキシコの経済紙『Economiahoy』が5月19日付で<『トランプはコロンビアのアボカドをもっと買うようになる。メキシコにとって危険か?』>という見出しでメキシコ産アボカドの米国での市場が縮小されるのではないかという懸念を表明したのである。  事の発端はコロンビアのサントス大統領が5月17日にホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と会談したことであった。その折に、トランプ大統領が「コロンビア産のアボカドの米国への輸出に協力しよう」とサントス大統領に語ったというのである。それを、コロンビアのマリア・ラコントゥレ商業・産業・観光大臣が同月19日に正式に表明したからである。  しかも、1970年代からコロンビアと米国は麻薬組織の撲滅で密接な関係を維持している。米国にとって南米で最も信頼している国がコロンビアなのである。  さらに、メキシコのアボカド生産業者の不安を煽っているのはコロンビア産アボカドだけではない。天候不順と洪水で<収穫量が20%減少>していることもある。同様に、米国産も<60%の収穫が減少>しているそうだ。その影響で、<13ドルしていた10キログラム箱入りが、27ドルまで値上がり>しているというのである。この価格の高騰で、米国のレストランではメニューから外したところもあるという。(参照:「Sin Embargo」)
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供給不足に陥っていたアメリカのアボカド市場
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