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政府が掲げる「働き方改革」では柱の一つとして副業推進の姿勢を打ち出しており、サイボウズやロート製薬のように、実際に従業員の副業を解禁する大手企業も登場している。しかし、新たな収入の柱を作るべく副業に取り組むサラリーマンのなかには、思わぬ苦戦を強いられているケースもある。
「先月の赤字額ですか?そうですね、新卒の初任給くらいでしょうか……」
コインランドリー投資の厳しい実情を語ってくれたのは、アラフィフのサラリーマン投資家の諏訪朗さん(仮名)だ。首都圏某所に1600万円を投じて開業したコインランドリーは、間もなく開店1周年を迎える。しかしこれまで一度も黒字を達成しておらず、毎月赤字を垂れ流しているという。
諏訪さんは元々、本業である会社員の傍ら不動産投資を手がける、いわゆる「サラリーマン大家」だった。ここ数年、不動産市況が好調であることから所有物件の一部を売却。新たな投資先を探していた諏訪さんの目に止まったのがコインランドリー投資だった。いくつかの業者に資料を請求して、セミナーに参加するなど情報収集を開始。投資家仲間でコインランドリーを開業した人がいたので情報交換も行った。「比較検討した結果、業界大手A社とのフランチャイズ契約を締結することにしました」と語る。
「他の業者は設備やリースに関する提案どまりだったのですが、ここは出店場所選びから具体的な提案してくれたので契約することにしました」
業者から提案された、出店候補の中から一番立地が良い店舗を選択した諏訪さん。順調なはずの契約に何が起きたのか……?