韓国・文在寅新大統領、実は「負け」の専門家だった――受験に司法試験失敗、逮捕拘束、朴槿恵への敗北

文氏は慰安婦の日韓合意も「再修」とするのか?

 2003年2月に盧武鉉氏が大統領に就任すると、彼の秘書室長となり大統領を補佐。  その後、李明博政権時に、盧武鉉氏が不慮の死を遂げた時には、第15代大統領であった金大中氏に呼ばれ、必ずや民主政権を取り戻してほしいと言われ、遂に2012年12月、韓国第18代大統領選に立候補する。しかし当時は韓国で絶大な人気を誇った朴槿恵大統領に僅差で敗北。彼の3度目の「再修生」生活が始まる。彼は自身の著書「終わりが始まりだ」の中で、この大統領選の敗因を「自分の力不足」であると素直に認め、再びチャレンジ出来る機を待つことになる。  そして2016年12月。大統領の前代未聞のスキャンダルが発覚し、憤怒した国民のキャンドル革命により、朴槿恵氏が大統領を罷免。文氏は、第19代韓国大統領を決める選挙を圧倒的な大差で勝利した。3度目の「再修」を終えた。  今回の大統領選は、空位の大統領の椅子を巡る特殊な選挙であった。また政策よりも、前政権に対する失望と、変化を望む国民の期待感が先行した感情的な選挙であったとも言える。  文氏が獲得した圧倒的な票数は、その失望と期待の上に積み上げられたものだ。日本での、民主党への政権交代時もそうであったが、期待感が高ければ高いほど、裏切られた時の失望感は深い。内政外交の両面で難題を抱える韓国において、文氏がすべての期待に応えていくのは至難の業である。  特に注目すべきは、対米、対日、対北朝鮮の外交戦略。特に日本との関係における、慰安婦合意については、韓国国内でも注目の的になっており、新たに就任した文大統領が日韓合意を、本当に破棄するのかが焦点となっている。  現時点での韓国メディアの報道によれば、文氏の側近のなかでも合意破棄を主張する強硬派と、韓日関係の円滑な運営を主張する現実派が混在しており、予断を許さない状況であると言われる。  文大統領自身がいう「再修」というキーワード。日韓合意において、彼の「再修」が行われるのか。行われるとすれば、そのタイミングはいつなのか。その「再修」をクリアする秘策があるのか、注目である。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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