ジョーンズ選手が罵声を浴びた舞台になったボストンのフェンウェイ・パーク。photo by Francesco Crippa via flickr(CC BY 2.0)
今米国でMLB(メジャーリーグベースボール)界を揺るがし、ひいては米国社会全体に波紋を広げる衝撃の事実が明るみとなり、メディアを賑わせている。21世紀の、この2017年という現代で、いまだに驚くほどの人種差別行為が横行しているというのだ。
それは、ボルティモア・オリオールズのアダム・ジョーンズ外野手が5月初旬にボストンに遠征しレッドソックスとの4連戦を戦った際、グラウンドで起こった。試合中にスタンドの観客から何度も「Nワード」と呼ばれる黒人に対する差別語を浴びせられ、ピーナッツが入った袋を投げつけられたのだという。ボストンで差別的罵声を浴びせられたのは今回に限ったことではなく、過去にも「両手、両足を使って数えても足りないくらい」あったとジョーンズは明かしている。なぜ今、メディアに話すことで世間に訴えたかといえば、その罵声がこれまでにないほど酷いものだったため、堪りかねてのことだった。
ジョーンズといえばメジャー12年目の経歴を持ちオールスターに5度も選ばれたスター選手で、今年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)にも米国代表として戦っている米国選手の代表格。そんな選手がまさか差別語で汚いヤジを飛ばされていたとは、よもや想像もしていなかった。