新入社員を「5月病にさせないため」に、先輩が心がけるべき3つのこと

3.「何を」「どのように」を質問の中心に

 そのかわり、私がおすすめするのは、「どこに」「誰に」「何を」「どのように」という質問を意識的に多用することです。例えば営業担当の部下であれば、「今日はどこの得意先に行ったの?」「そこで誰と話したの?」「担当の××さんは何か言ってた?」「××さんってどういう印象?」という感じです。  これらは答えやすく、かつ単なる「はい/いいえ」で終わる質問ではありませんから、会話を続けやすいという利点があります。もし、「××さんって、少し怖い感じですね」という答えが返ってきたら、「そうだね。でもあの人は一見取っつきにくいけど、ウチのことをいつも気にかけてくれてる大事な人だよ」という風に、自然な会話の中で重要な業務情報を伝えることもできます。このほうが頭ごなしに言われるよりも記憶に定着しやすいことは前項で述べた通りです。  新人との会話が苦手だ、という人は、いきなり会話をしようとするのではなく、まずは「簡潔な質問」をしてみよう、と考えてみたらどうでしょうか。  以上、新入社員を育てるための3つの簡単な心がけをお伝えしてきました。  今の日本は完全失業率2.8%という完全雇用に近い労働市場、すなわち売り手市場です。加えて、少子化のため若い労働力は今後ますます貴重になっていきます。そのような状況で、育成力のない会社、指導力のない上司が若者に見切りをつけられる可能性はどんどん高まるでしょう。  確かに、人材育成は企業支援の中でも難しいテーマのひとつです。時間もかかります。でもこれに真剣に取り組むか否かは、5年後、10年後の会社の発展に大きく影響してくると思います。 <文/多田 稔> 【多田 稔】 中小企業診断士、経営アナリスト。「多田稔中小企業診断士事務所」代表。経営コンサルティング・サービスに携わる傍ら、「シェアーズカフェ・オンライン」などで企業分析・会計に関する記事を執筆
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