新入社員を「5月病にさせないため」に、先輩が心がけるべき3つのこと

多田稔

photo by セーレム

 ゴールデンウィークを迎え、この春から新社会人として仕事を始めた若者たちも、少しは職場の雰囲気に慣れたころではないでしょうか。同時に、この時期はいわゆる「5月病」に悩む人が多くなる季節でもあります。

 この手の話は、新人の側に責任を求める論調が幅を利かせがちです。しかし、中小企業診断士・経営コンサルタントとして主に中小企業の人事制度に関わる機会が多い私から見ると、企業側にも問題があるケースが多々見受けられます。

 今回は構造的な人材難が叫ばれる昨今、せっかく採用した新入社員を5月病に陥らせず、立派な職場の戦力として育てるための3つのコツをお伝えしたいと思います。

1.何かあっても冷静になる

 何事もそうですが、感情的になって良いことなどひとつもありません。新入社員の仕事ぶりを見てイライラすることも多いでしょうが、ここは鷹揚に構えて、じっくりと指導することを心がけましょう。怒鳴りつけたりするなどもっての外です。

 これは医学的にも適切なことらしく、人間は感情的になると脳の一部である大脳辺縁系が活発に働き、頭が混乱して合理的な判断ができなくなるのだそうです。先輩や上司に怒鳴られれば部下の方も感情的になりますから、たとえ言われたことが正しくても、その内容が頭に残りにくくなるようです。

 私のサラリーマン時代の若い頃を思い出しても、怒鳴り散らす上司が言ったことで覚えていることなどほとんどありません。覚えているのは、「あの時は悔しかった」「腹が立って仕方なかった」というような感情面のことばかりです。逆に、今でも仕事をする上で役に立っているアドバイスや金言は、やはり落ち着いた状況で語られた言葉が多かったように思います。

 一昔前ほどではありませんが、今でも部下を怒ったり怒鳴ったりするのが「情熱的」「真剣に仕事をしている証拠」だと勘違いしている人を見かけます。個人的な偏見を言えば、40代後半から50代半ばくらいの、日本が最後に景気がよかったバブル期に社会に出た人たちにこの傾向が強いように感じます。

 本人としては「俺たちもこういう風に鍛えられた」「部下を叱咤激励して何が悪い」と思っているのかもしれませんが、メンタルヘルスケアの重要性が叫ばれる昨今、このような態度を続けてもあまりいいことはないような気がします。

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「なぜ」と問わない

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