キューバの国内事情は厳しい状況にある。GDPで3%以上の経済成長が必要であるが、それに至るには程遠い成長しかしていない。しかも、キューバにとって一番必要な外国からの投資が少ないという問題を抱えている。
ベネズエラが経済的に潤っていた時には、同国から安価な原油が国内消費さらに、それを再輸出できるまでの量の供給を受けていたが、現在その供給量も急激に減少している。それを補うべくロシアから安価な原油の提供を依頼しているが、その反応はまだ具体化されていない。
しかも、トランプ大統領やキューバ2世議員らが要求しているキューバの社会改革が容易ではないという事情もある。それが、トランプ大統領をして両国の関係進展に消極的である理由となっているのだ。
そのひとつがキューバの兌換ペソとペソ・クバノという2つの通貨が存在している問題である。兌換ペソは外人による使用が対象になっている通貨で、ペソ・クバノはキューバ人が日常使う通貨である。その2つの通貨の価値は1ドルが24対1となっている。即ち、仮にキューバ人がドルを手に入れようとすれば24倍の対価を払わねばならなくなっている。外人対象の乗り物などは兌換ペソで割高になっている。この二つの価値の差を利用して国営企業は成り立っているのである。
仮に、これを一つに統一しようとすれば、<6割の国営企業が成り立たなくなり、200万人の官僚の職場が消滅する>とされている。(参照:『
Publico』)
また、2018年にラウル・カストロは評議会議長のポストを辞任することは既に表明しているが、その後のキューバがどのような政治を展開するか未知数である。