若者×自然エネルギーの“限界集落再生”が同時多発的に発生

斉藤円華

木質バイオマス利用が盛んな岡山県西粟倉村で働く若者(映画『おだやかな革命』から)

 過疎化が進んだ「限界集落」に若者が移住し、太陽光や小水力、木質バイオマスといった自然エネルギーを利用して地域の再生に取り組む動きがある。「エネルギー自治」を通じて地域を再生する取り組みを、全国各地に取材したドキュメンタリー映画の製作が進行中だ。

自然エネルギーの収益を地域に再投資

小水力

岐阜県郡上市石徹白(いとしろ)の小水力発電所(映画『おだやかな革命』から)

「今の日本は、ジェットコースターが急激に落ちる手前のような状態。作品では、明治期から無理もして繁栄を極めた日本が、ここからどうすれば幸せになるのかを考えたかった」

 東京都内で行われた、製作中の映画『おだやかな革命』のパイロット版上映会で、渡辺智史監督はこう話した。

「地方の衰退」が叫ばれて久しいが、日本全体を見ても今後、急激な人口減少が予想されている。国は、2060年には現在の約3分の2に当たる8600万人にまで人口が減ると予測。さらに労働人口の減少に加えて国内市場も縮小していく未来の日本で、今までのように右肩上がりの経済成長を続けることはできるのか。

「それは難しいのではないか」と渡辺監督はみている。

 前作『よみがえりのレシピ』では「在来作物」に焦点を当てた渡辺監督。地域の気候や風土に合うよう長い時間をかけて改良された在来作物は、スーパーマーケットの台頭で規格化された野菜が大量に流通するようになると、人々から忘れ去られていった。

 だが、大量栽培には向かないものの、規格化された野菜にはない独特の味が再評価され、今では在来作物を地域おこしに生かす動きも生まれている。地域伝来の作物が受け継がれる様子を淡々と記録しているだけなのに、地域のあり方や食の安全保障など、さまざまな問題を考えさせられる作品だ。

 今回の最新作でも、渡辺監督は地方・地域にフォーカス。「過疎化が進み限界集落と化した里山(中山間地域)で、移住した若者を起点に地域が一体となり、自然エネルギー事業が立ち上がるケースが同時多発的に生まれている」という。この動きを追いかけた。

 そこでは自然エネルギーで発電し売電して得た収益を、農村振興や福祉、若者の起業支援などに再投資。地域内で「モノ・人・金」が循環する「幸せな地域経済」が生まれているとのことだ。

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地方衰退で若者に活躍の余地?

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