左からマイケル・スパバ氏、エミル・トルシュコフスキ氏
4月10日週始めの月曜日午後7時、東京新橋の講演会場には、最大収容人数を超える50人以上があるカナダ人の話を聞くために来場していた。
この日、マイケル・スパバ(Michael P. Spavor)氏というカナダ人の講演会が開催されたのだ。マイケル・スパバ氏とは、カナダ人でありながら北朝鮮との太いパイプを持つだけではなく、北朝鮮の最高指導者である金正恩党委員長と直接会える男として一部では知られる人物だ。
マイケル氏は、現在、中国吉林省の朝鮮族自治州である延吉を拠点に「白頭文化交流社」を展開している。同社は、北朝鮮と政治を抜きにした文化やスポーツを通した民間交流を促進させることで北朝鮮国民の生活向上や変化に貢献することを目的とした活動をしている。
マイケル氏を特に有名にしたのは、アメリカNBAの元選手デニス・ロッドマン氏の訪朝をサポートし、金正恩党委員長に引き合わせたときに、彼も同席し、数日間一緒に過ごすという経験をしたことだ。
金正恩党委員長は、マイケル氏に対しなぜカナダ人が朝鮮語を話せるのかなど興味を持ち、それがきっかけで親密な関係を築き、マイケル氏の現在の活動へとつながっているという。
朝鮮労働党幹部や軍高官でも金正恩党委員長へ面会できる人物は、ほんの一握りで、ましてや外国人だとさらに難しいことは容易に想像できる。そんな数少ない人物であるマイケル氏が都内で講演を開くということで、講演会告知が1週間前と直前だったにもかかわらず、北朝鮮研究者やマスメディア、高官庁などの関係者、在日外国人が多数集まった。平日の夜だったことも影響したのか北朝鮮マニアやヲタクは少数だったようだ。