GPIFの基本ポートフォリオを決定するにあたっての考察については、”基本ポートフォリオの考え方”(
http://www.gpif.go.jp/operation/foundation/portfolio.html)に詳しく記されている。
厚生労働大臣から任命された金融・経済の専門家からなる運用委員会で審議を行い、検証を行った結果、基本ポートフォリオが決定される。国内株式、外国債券などの各アセットクラスの期待リターン、リスク、アセットクラス間の相関係数などから効率的な資産構成割合の組み合わせが決定されているのだ。
そうして決められたGPIFの基本ポートフォリオは前述したように、 資産構成割合が、国内債券35%:国内株式25%:外国債券15%:外国株式25%となっている。乖離許容幅を加味すると、国内債券35%±10%:国内株式25%±9%:外国債券15%±4%:外国株式25%±8%である。
“運用体制の整備に伴い管理・運用されるオルタナティブ資産(インフラス トラクチャー、プライベートエクイティ、不動産その他運用委員会の議を経て決定するもの)は、リスク・リターン特性に応じて国内債券、国内株式、外国債券及び外国株式に区分し、資産全体の5%を上限とする。“としている。
GPIFは、“長期的な運用においては、短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合を決めて、これを維持する方が効率的で良い結果をもたらすことが知られています。”としていることにも注目したい。一般の投資家にとっても、自身の基本ポートフォリオを決定し、資産構成割合がそこからズレた場合にリバランスすることこそが資産運用であるというやり方もありかもしれない。
<文/丹羽唯一朗 photo
Pictures of Money via flickr(CC BY 2.0)>