トランプ関税で注目されたメキシコのアボカド輸出、麻薬カルテルにも狙われていた

カルテルに目をつけられたアボカド輸出

 アボカドが輸出ビジネスとして成長しているのを見たカルテルは、それに介入することを決めたのであった。  アボカドの8割が生産されているミチョアカン州の暴力組織ミチョアカン・ファミリーが主軸となってカルテル「ロス・カバリェロス・テンプラリオス」を誕生させたのである。  彼らは2011年頃からアボカドの生産業者を恐喝し、アボカドの栽培に危害を加えない代わりにカネを要求し始めたのである。生産業者が支払うカネを少なくしようと偽って生産量を彼らに伝えて、それが偽りであると発覚した時にはアボカドの木そのものを全て焼き尽くすという暴挙を振るったのであった。  この恐喝手段を使ってテンプラリオスはおよそ1億ドル(110億円)を稼いでいたという。  アボカドの生産業者組合はそれを連邦警察に訴えて保護を求めていた。折りしも、その時点で麻薬カルテルとの全面戦争を展開していたフェリペ・カルデロン前大統領は<4200人の軍隊と海兵隊と連邦警察から成る1000人をミチョアカン州に送り>カルテル組織を壊滅させ、同カルテルのリーダーたちを逮捕したのであった。そして、生産業者も自衛組織を作ってカルテルから守る活動を開始した。(参照:「Infobae」)  その結果、カルテルによるアボカド生産業者への妨害は止んだと思われたのであったが、最近またカルテルが復活して生産業者をゆすり始めていることが取りざたされるようになっているというのである。
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メキシコのアボカド産業が抱える問題
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