コスチュームデザイン権から自宅プロレス開催権まで!プロレスとクラウドファンディングは好相性

撮影場所での試合付き上映会が予定されている

選手がスクリーンから生で飛び出す上映会

 これが好評を得たため、第2弾インタビュー集発行を計画。再びクラウドファンディングで募った。同じく100人の支援者が集まったが、支援額は1,113,000円と前回の2倍以上となった。  その理由は魅力あるリターンだ。第1弾と同様に、書籍や招待券、DVDなどもあるが、新しく追加されたマットプロレスが魅力的だった。  なんと、くいしんぼう仮面本人が支援者の希望する場所へ出向き、プロレスを開催するのだ。前回記事では、臨場感抜群のノーリングマッチを紹介したが、リターンではマッおよそ3メートル弱四方のマットを使用。といっても、場外戦がほとんどとなるため、ノーリングマッチとほとんど内容は変わらない。  さらには試合の様子を撮影し、DVD化してしまうことさえ許可してしまった。現在も支援者自宅やライブ会場、様々な場所でリターン試合が実施中で、動画サイトに試合模様がアップされたり、生配信されたりしている。  映像プロジェクトもある。大阪の団体・道頓堀プロレスが制作に協力した映画『おっさんのケーフェイ』(谷口恒平監督)だ。  その上映会はユニークだ。撮影場所のひとつ、道場・ティグレジムで映画内の登場レスラー「ダイナマイトウルフ」が実際に試合をする。本当に選手がスクリーンから飛び出すことから「ダイナマイト4D」を冠された上映会が、5月2日に予定されている。

プロレス“ファン”マンガの復刊

 マンガもある。プロレスファンの生態を描いた『最狂超プロレスファン烈伝』(作:徳光康之)だ。1991年に月刊少年マガジンで連載された、プロレス”ファン”の生態を描いた作品だ。  ファンもの・文化部ものの先がけともいえる作品だが、1年強で打ち切りとなった。2000年にかきおろし続編が刊行されたが、以降中断していた。

プロレスマンガではなく、プロレス"ファン"マンガ。紙冊子版は絶版

 しかし時を経て2016年、作者自らがクラウドファンディングで資金を募ったところ、新エピソードに登場するキャラクター原案権など高額リターンが完売し、1,662,000円もの支援を集めた。  既存の商業誌では発行が難しくても、熱狂的なファンがいれば作者本人が個人出版社となり、セルフパブリッシングが可能だと示した好例だ。  同作品はAmazon Kindleで続編が開始し、作者が初の原画展を開催するなど、中断前よりも熱が高まっている。

クラウドファンディング成否を分ける、たったひとつの要素

 ここまでリターン内容と金額を中心に述べてきたが、成功したプロジェクトには共通項がある。主宰者が強い想いを持ち、自身の言葉で伝えていることだ。  琉球ドラゴンプロレスリングの代表・グルクンマスクはこう述べた。

日本最南端のプロレス団体・琉球ドラゴンプロレスリングを主宰するグルクンマスク

「お客さんに僕たちが出来る恩返しはなんだろう。それは、もっともっと、皆さんに夢や勇気、元気や笑顔を伝える事。そう思いました。だから、もうワンステップ上に行く為にベルトが必要なんです。」
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クラウドファンディングはプロレスラーになるまでの労苦を選手と共有できる
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