賛成多数の「横浜・上郷」里山開発、公聴会で賛成側に辞退者続出の不可解
横浜市栄区にある里山の開発構想(上郷開発計画)をめぐって、不可解な現象が起きている。今年1月17日、その構想に対する公聴会を市が主催したのだが、事前に意見発表希望者を募る「公述申出」では賛成が約3分の2を占めていたが、当日は反対する公述人の数が賛成側を上回っていたのだ。
この構想は東急建設(東京都渋谷区)が2014年1月に横浜市へ提案したもので、栄区の「上郷町猿田地区」にある約31ヘクタールの緑地が対象だ。市は翌年6月、提案を一部手直しした上で市の計画案とすることを決め、住民説明会などの手続きを進めている。
それによると、対象地域のうち21ヘクタールは緑地として保全するが、10ヘクタールは造成して商業施設や住宅、メディカルモールなどを建てるという。
同社による市への提案は今回が2度目だ。前回は全体の約半分を開発する内容だったが、2008年7月に市の都市計画審議会で「樹林地を大幅に改変する」などの理由で否決された経緯がある。
現地は沢が流れ、ホタルの生息地として知られる。反対住民は、一帯が自然の宝庫であることや、周辺で空き家が増えているのに新たな住宅建設は不要などとして計画撤回を求めている。一方、同社の提案に賛同する地元地権者の団体「上郷開発の早期実現を希(ねが)う会」は、ウェブサイトで「保全する緑地等の部分は提案区域の約7割」と伝え、前回提案よりも緑地が保全されるのだと強調する。
ホタル舞う里山を造成、住宅地や商業施設に
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