日本ブームの中でも異端!? タイの「日本の地下アイドルヲタ」が語る、タイのオタク事情

タイのドルヲタ青年、オタク生活を語る

 タラドンさん27歳はアイドルオタク歴15年。タイの通信会社大手でゲーム関係の仕事をしながら、日本の地下アイドルなどを紹介するウェブサイト「サイアムドル」の運営に携わる。  サイト運営はあくまでもボランティアで、始まったばかりのこのサイトは運営費もすべて自分たちで賄う。1月14日には日本の現役JKアイドルグループ「KAMOがネギをしょってくるッ!!!」を呼んでイベント開催をするなど、なんとか資金繰りをしながらも積極的に活動している。そんなタラドンさんになぜ地下アイドルなのかを聞いた。

3000年に一度のアイドルグループといわれる「SAY-LA」(水色)と、2013年結成の「Ready To Kiss」(赤色)

「最初は子どものころから見ているアニメから入って、徐々にアイドルが好きになっていきました。AKB48にも注目していましたが板野友美推しだったのに辞めてしまい、今は地下アイドル一本にしています。今一番気に入っているのが「でんぱ組.inc」です。日本のアイドルにオリジナリティーを感じるので好きです」  タイにもアイドルがいるし、一般タイ人にも人気のK-POPガールズグループは数多に存在する。しかし、タラドンさんからすると「彼女たちはすべて日本のアイドルの物マネに過ぎない」とばっさり。オリジナリティーの極みが地下アイドルだと彼は見ている。 「曲もマイナーですし、そもそも地下アイドルは手売りが基本ですからタイではまったく曲が手に入らない。それもまた魅力なんですよ」

タラドンさんは目つきは鋭いが、とにかく明るくまじめな青年

 かつてのタイではメジャーデビューをしたアイドルのCDやグッズでさえ手に入れるのも一苦労だった。そんな時代も経験しているタラドンさんはこの状況を楽しでもいる。  大なり小なり、タイのオタクをエンジョイする人たちはグッズの入手に日本ではない努力を強いられる。タイもだいぶネット通販が一般的になったが、そこに彼らが求めるものはなく、日本のAmazonやYahoo!オークション、楽天などになんとかアカウントを作り、国際転送をしてくれる業者に頼んだり、日本の友人に頼む。実は日本在住のタイ人オタクも少なくなく、タラドンさんはそんなネットワークからも地下アイドルの曲や情報を仕入れる。 「僕自身もすでに9回日本に行っていますが、すべて地下アイドル巡りしかしていません」
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社会人になるとタイ人がオタク趣味を離れる理由
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