品質日本一のみかん産地をビジネス視点で支える「八幡浜お手伝いプロジェクト」

多田稔

 農業振興と地方創生はアベノミクスの重要な柱だが、その進展の妨げとなっているのが人材難だ。そんな中、愛媛県でユニークな取り組みを行うプロジェクトがある。みかん産地である八幡浜市で、農家の人手不足を都市部からの有償ボランティアで解決しようという「八幡浜お手伝いプロジェクト」がそれである。

 県庁所在地である松山市をはじめ、愛媛県内外の都市部在住者にワーカー登録してもらい、10月から2月ごろまでの収穫シーズンを中心に農作業に協力してもらう。「有償」と言っても報酬は現金ではなく、地元の商店等で使えるクーポン券で支払われる。これにより生産者と消費者、地元の距離が縮まり、農家の人手不足解消と地域活性化を実現する仕組みとなっている。

お手伝いプロジェクトの様子

参加者の善意に頼らないボランティア

 ボランティアといえば、どうしても参加者の善意頼みになって一過性の取り組みに終わるケースが多くなりがち。しかし、同プロジェクトは2012年の実行委員会発足以来、今シーズンで5年目を迎え、1月末現在で登録数はワーカー132人、農家82軒、クーポン利用店29軒と、いずれも当初目標をクリアして拡大中である。加えて、上場企業や地元金融機関がCSR活動の一環として定期的に参加しており、都市と地方を結ぶ先進的な取り組みとして注目度も上昇している。

 しかし、有償ボランティアの仕組みを回すためには、当然ながら資金的な裏付けが必要となる。具体的にはどのように運営しているのだろうか。プロジェクトリーダーである北川裕子さんに聞いた。

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「お手伝いプロジェクト」運営者を直撃
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