もちろん、浦添市長銭にも安慶田氏の口利き疑惑が影響を及ぼしたと考えられる。というのも、安慶田氏は1月26日には弁護士同席のもと記者会見を開き、上申書を提出した諸見里氏を名誉棄損で刑事告訴したと明らかにしたのだ。
「早々の辞任で疑惑報道の幕引きを図り、翁長知事へのダメージを最小限にとどめたのかと思っていたら、刑事告訴で改めて騒ぎを大きくしてしまいました。県庁幹部も、『これでは翁長知事の足を引っ張るだけ』と頭を抱えていました」(竹中氏)
なんとか風向きを変えようと考えたのだろう。翁長氏は1月31日から2月5日にかけて訪米し、トランプ新政権下のアメリカに対して直接、沖縄の基地問題の解決を訴えようと試みた。だが、政府当局者との面談は課長級のヤング国務省日本部長ら2人だけ。これには、沖縄タイムスも「何か具体的行動を取る説得量のある議論ができたのだろうか」と訪米に否定的な論調だったのだ。
今後の注目は4月23日投開票のうるま市長選だ。ここでも安倍政権vs翁長知事の代理対決となるのは必至。「これまで選挙上手と知られた翁長氏が3連敗を喫すれば、来年の県知事選にも影響する」(竹中氏)という。果たして、巻き返しはなるか……? 沖縄は一足早く暑い季節を迎える。
<取材・文/HBO取材班>