さらに独自の調査を継続したCNNは、173人のパスポートや身分証が中東出身者に発給され、その中にはテロ組織ヒズボラと関係ある人物もいたとする機密文書を独自入手。ここにタレク・エルアイサミ副大統領が関係しているとまで踏み込みました。
エルアイサミ副大統領が関係しているという点が事実であると、これは実に興味深いことになってきます。
エルアイサミ氏は、「副大統領」ではあるものの、その役割は重要で、マドゥロ大統領失脚の際は、その後継者となる人物となります。将来のベネズエラ大統領の最有力候補の一人なわけです。そんなエルアイサミ氏のスキャンダルは、将来のベネズエラのゆくえを大きく左右します。そのような中、ベネズエラ政府はCNNエスパニョールを放送禁止とし、「真っ赤な嘘」と批判したわけです。
この点について、筆者はベネズエラ人の有識者複数名と意見交換したところ、総じて
「エルアイサミ副大統領は危険人物。彼がこのようなスキャンダルに関わっていてもまったくおかしくない」
という答えが返ってきました。国民の本音では、エルアイサミ副大統領は「クロ」と思っている人が非常に多いのが現状です。