トゥルーではインターネット上での試合中継も行われ、多い試合では30万人ほどが視聴。試合は平日のダブルヘッダーでの開催となったためスタジアムを訪れた観客が少なかったのは課題として残されたが、インターネットを含めた試合中継の効果を含めれば、「タイの人たちにJリーグの試合を見てもらう」という目的はある程度達成したといえる。
ともに国内リーグ開幕を控えた両国のチームにとっても、大会への参加はそれぞれにメリットがある。タイのクラブからは「タイよりもレベルの高い日本のチームとやれることは勉強になる」(スパンブリーFC、セルジオ・ファラス監督)、Jリーグ側からは「この時期に大会があることで、いつもより早い準備ができたのはポジティブなこと。海外に来てともに生活することで選手の団結力も向上した」(横浜、エリク・モンバエルツ監督)など、双方からポジティブな声が聞かれた。
会場の設営などを含めた大会運営は、Jリーグからやってきたスタッフを中心に行われた。そのため、スタジアムにはどこかJリーグの試合を感じさせるものがあり、東南アジアのローカル大会とはひと味違う雰囲気が醸し出されていた。Jリーグが培ってきたノウハウを無償でアジア各国に提供するというのも、「アジア戦略」の趣旨の一つ。その意味で、運営面のノウハウを実践で共有できることもこの大会の意義といえるだろう。