ミャンマーで携帯電話事業に本格参入する軍系企業 その狙いは?

ミャンマー最大都市・ヤンゴンにあるMEC本社

 アジア最後のフロンティアと称されることも多いミャンマー連邦共和国(ミャンマー)。同国の携帯電話市場には日本企業も共同事業で参入し、日本でも話題となったが、4社目の新規参入が決まった。ミャンマーのビジネス界では歴史的背景から軍系企業の地位が高いが、新たな携帯電話事業者に軍系企業が関与することになり、その背景や狙いに迫る。

軍系企業の資本参加

 ミャンマー政府は専門組織を結成し、2015年より第4の携帯電話事業者に資本参加する企業の選定を本格化した。  当初よりミャンマー政府、地場企業、外資企業が共同出資する計画で、2015年中に合弁会社へ出資する目的で11社の地場企業が共同でMyanmar National Telecom Holding(MNTH)を設立し、合弁相手となる外資企業の募集も開始した。そして、2016年3月25日に関心を表明した7社の外資企業からベトナムを拠点とするViettel Group傘下のViettel Global Investmentを選定し、ミャンマー政府はStar Highを通じて出資することも併せて発表された。

MEC本社の中庭

 Star Highは国防省が所有するミャンマー経済公社(MEC)の子会社で、これが軍系企業である。
次のページ
政権交代と軍の権益確保
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会