ミャンマーで携帯電話事業に本格参入する軍系企業 その狙いは?

最後発ゆえの戦略は

取材に対応してくれたMECの担当者が着用していたMECTelのバッジ

 Viettel Global Investment、Star High、MNTHは協議の末、2016年9月19日にMyanmar National Tele&Communications(MNTC)を設立した。出資比率はViettel Global Investmentが49%、Star Highが28%、MNTHが23%となる。  当初の計画より半年ほど遅延したが、MNTCは2017年1月12日に4社目のMNOとして携帯電話事業を手掛けるための免許を獲得した。2017年後半以降に携帯電話サービスを商用化する予定で、ブランド名はMyanmarとTelecomを組み合わせたMytelとし、MECの通信設備を活用する計画も明らかにされている。  ミャンマーの携帯電話市場は長らく政府機関が独占し、携帯電話普及率は低かった。  新規参入の外資企業が携帯電話サービスを開始した2014年以降は携帯電話普及率が飛躍的に上昇したが、成長速度はすでに鈍化傾向だ。  MNTCは急成長のピークを過ぎてから新規参入することになるが、明確な戦略を掲げている。既存の携帯電話事業者は都市部への投資を強化する一方で、農村部への投資は不十分な状況にある。  農村部は都市部と比べて収益性は低いが、ミャンマー全体では農村人口が約70%とされており、MNTCは農村部に焦点をあてる方針である。都市部より低所得層が多い農村部でも手軽に携帯電話サービスを使えるよう低廉な料金で提供して他社との差別化を図るという。都市部では高速通信の導入などで競争が激化しているが、MNTCの新規参入は農村部でも競争激化をもたらすだろう。  日本企業も参入するミャンマーの携帯電話市場は今後も目が離せない。 <取材・文・撮影/田村 和輝 Twitter ID:paopao0128
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