進む企業でのAI活用。不動産や投資業界、メガネ選びでも

人工知能が判断し助言する投資信託

 投資信託でも、どの企業の株式に投資するかを人工知能が判断する商品が登場した。  三菱UFJ信託銀行により、2月1日に販売開始された『AI日本株式オープン(絶対収益追求型)<愛称:日本AI>』では、人工知能を活用した投資助言を基に運用を行い、株式個別銘柄戦略と先物アロケーション戦略の2つを組み合わせることで、絶対収益の追求(筆者注;株価や市場が下落トレンドであってもプラスのリターン確保)をめざすという。人工知能を活用した投資モデルの開発は、三菱UFJトラスト投資工学研究所(METC)が行う。  各運用戦略で採用するモデルはファンド全体のリスク・リターンに配慮して選定し、モニタリングと必要な見直し等を定期的に行う。年2回の決算時(1月・7月の各31日(休業日の場合は翌営業日))に分配を行う。  販売用資料によると、具体的な人工知能の活用事例は以下の通りである。  株式個別銘柄戦略で活用するAIモデルでは、決算短信や有価証券報告書等の企業の文字情報と配当利回りを組み合わせて安定高配当銘柄を選択し(安定高配当モデル)、経済ニュース、アナリストなど市場参加者の利益予想等を用いて銘柄を選定する(ニュースピックモデル)。  先物アロケーション戦略で活用するAIモデルでは、ディープ・ラーニングを行うことによって、データの特徴から因果関係を見出し、翌日の株式市場の値動きを日々予測(日次予測モデル)、また、過去の投資環境から類似性を見出して1か月先の株式市場の値動きを日々予測(月次予測モデル)、さらに、株価や指数値等の推移から株式市場の転換点を日々予測する(転換点予測モデル)。  人工知能の活用事例が日々増えており、変化が起きている。人工知能の活用の効果は今後注目されていくだろう。 <文/丹羽 唯一朗>
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