なぜパチンコホールでは「置き引き」が起きやすいのか。
例えば、遊技台の確保。開店時であったり、また店内を見て回っている最中であったり、遊技客は遊技台を離れる際に、財布やスマホ、鍵などを台の上皿や周辺に置いていく。誰か先客がいるという証がなければ、他の客に遊技台を取られてしまうからだ。これは昔からの客同士の慣例のようなものであるが、最近では、この慣例が「置き引き」を誘発する理由の一つになっている。
もう一つは、プリペイドカードである。客は遊技台の横にある玉(メダル)貸機にお金を入れ、玉やメダルを借りて遊技をする。1000円ずつ入金するのであれば問題ないのであるが、最近では高額紙幣に対応した玉(メダル)貸機が主流である。例えば10000円を入金し、3000円で大当たりを引いた場合、7000円の残額があるまま客がプリペイドカードを抜き忘れそのまま放置されている場合がある。このプリペイドカードの窃盗事例もパチンコホールでは後を絶たない。
その他、トイレに行った際にバッグ等の窃盗にあったり、遊技台を離れる際に置き忘れたものが盗まれたりという事案がある。
勝った負けたのパチンコの世界。そもそも窃盗の意思がなくとも、負けが込み、財布が空になれば、良心の隙間に魔が差すかも知れない。パチンコにせよ、ギャンブルにせよ、やらないか、やるにしてもほどほどが一番である。<文・安達 夕>