パチンコやギャンブル、特にパチンコ業界が深刻に捉えるべき数値は実は他にある。それは同じ「犯罪統計資料」の中の「窃盗」に関わる統計である。
「窃盗」の項目には、家屋に浸入する窃盗や乗り物窃盗、非侵入系の窃盗では、ATMねらいや買い物盗などの項目があるが、注目すべきは「置き引き」の項目である。ちょっと目を離した隙に持ち物が持ち去られるという犯罪だ。
まずは統計から。昨年1年間の置き引きの検挙件数は8235件、検挙人数は6302件である。検挙件数、人数とも平成27年と比較して僅かではあるが増加している。
実はこの「置き引き」の問題が、パチンコ業界の悩みの種の一つである。
実際に「置き引き」の犯罪がどこで起こったのかは統計資料では明らかにされていないが、警察庁からは「パチンコホール」での発生件数が多いとの常々指摘を受けている。近年、パチンコ業界側でもこの「置き引き」の対策を講じてはいるものの、実際の件数が減ってはいない。まして増えているとなれば、頭の痛い問題となる。