3人の親の遺伝子を持つ受精卵の研究が行われる。「ミトコンドリア置換法」がもたらす未来とは

堀川大樹

ミトコンドリア置換法(前核移植法)。異常ミトコンドリアをもつ母親の卵と、父親の精子が受精した受精卵から核DNAを取り出し、正常ミトコンドリアをもつ第三者女性の卵に移植する。こうすることで、正常なミトコンドリアをもつ受精卵ができる。

「生まれてくる子どもの遺伝子を改変する」。SFの世界の話に聞こえるが、これはすでに現実で行われ始めていることである。人類は、子孫の遺伝子を改変する時代に入っている。

 2016年と2017年に、「3人の親」をもつ子どもが、メキシコとウクライナで相次いで誕生した。親が3人いる、というのは奇妙に聞こえるかもしれない。だが、現代の生殖医療技術では、3人の親、すなわち、3人の遺伝情報をもった子どもを作り出すことが可能になっている。

 このような子どもたちは、ミトコンドリア置換法という技術によって誕生した。ミトコンドリアは我々の細胞の中にある細胞小器官のひとつであり、生命活動に欠かせないエネルギーをつくる役割を担っている。子どもは、母親のみからミトコンドリアを受け継ぐ。

 このミトコンドリアは独自のDNAがあり、エネルギーを作る上で欠かせない遺伝子をもつ。この遺伝子に異常があると、エネルギーをうまく作れずに病気になることがある。これは、ミトコンドリア病とよばれる。

 母親の異常ミトコンドリアを受け継いだ子どもがミトコンドリア病を発症すると、流産したり、出生しても成人前に死んでしまうことが多い。ミトコンドリア病に有効な治療法は、これまでになかった。

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父母の核DNAを第三者に置き換える

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