では、ティーライフの成長の原動力となった独自性ある戦略とはなんだろうか?
まず、同社はもともとティーバッグの加工業からスタートしたが、92年から通販事業に目を向け、代理店経由の販売でなく、個人消費者に通信販売に的を絞って展開した。中でもヒットしたのは、同じ静岡県浜松市を拠点とする大手通販会社ムトウのカタログに同封した同梱チラシで売り込んだプアール茶だ。女性顧客層を多く抱えるムトウのカタログユーザーに、ダイエット効果を謳うプアール茶がマッチングしたのである。緑茶も取り扱っているが、静岡県の会社であるにも関わらず、主力商品No.1は緑茶ではなく、「ダイエットプーアール茶」なのである。敢えて地元の緑茶ではなくプアール茶を扱う。ここがまさしく同社にとってのブルーオーシャンだったのだ。
さらに、「30日間返品・返金保証」(開封しても返品返金)や、商品券セール(商品券、切手、図書券などでの支払いが可能)などのサービスやさまざまなキャンペーン、届いた商品には手書き風の手紙なども添えられているなどの顧客とのコミュニケーションが受け、リピーターを確保しているのだ。
こうしたことに加えて、同社は市場が急速に拡大している中国を中心に海外ECの展開を開始し、販路拡大に取り組んでいる。(参照:「
第1四半期報告書」)
当初は、楽天などを通じた越境通販を行ってきたが、直接に中国の有名モールに出店する計画を進めているという。
プアール茶の本場でもある中国での販売がどうなるかは今のところ不明だが、今後も注目しておいたほうがいいだろう。
<文/丹羽唯一朗 photo by
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