ブータンのスマホ市場に溢れる「インドのスマホ」。その理由とは?

田村 和輝

ブータンの首都・ティンプーの中心部には携帯電話の販売や修理を行う商店が並ぶ

 世界には2016年末時点で携帯電話サービスの加入件数が10億件以上の国は2か国ある。

 それは約13億件の中国と約11億件のインドである。

 そして、この二大携帯電話大国に挟まれたブータン王国(ブータン)の携帯電話市場はインドの影響が強い状況にあるが、ブータンの外交政策や制度などが反映されている。

インドのスマホで溢れる市場

 ブータンでは携帯電話事業者が一部の携帯電話メーカーの正規代理店として機能するが、各国の携帯電話メーカーはブータンに参入していない。

 ブータンの携帯電話市場は規模が小さく薄利多売による収益化が期待できず、また経済的な状況を考慮すると収益性の高い中高価格帯以上のスマートフォン(スマホ)は販売台数をあまり見込めないため、携帯電話メーカーにとって魅力度が低い。そのため、多くの携帯電話メーカーがブータンの携帯電話市場に関心を示さず、ブータンで現地法人を設立もしくは正規代理店を指定してスマホを正規販売する携帯電話メーカーは極めて少ないのだ。

 そんな中でブータンの携帯電話市場にはインドから輸入されるスマホが溢れている。インドには多くの携帯電話メーカーが存在し、それらをブータンで見られるが、これにはブータンの国内事情のほかブータンとインドの関係が大きく影響している。

 なお、ブータンで携帯電話を販売する一部の商店はAppleやNokiaなど有名企業のロゴを掲げている場合も多いが、正規ではないため注意したい。

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インドのスマホはなぜ多い?

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