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当初、”生活保護よりも民法上の扶養義務(特に親子・兄弟間)の方が優先されますので、ご親族でどの程度の援助ができるか話し合ってください。”などと誤った認識による違法性の高い文言が書かれていたが、指摘を受けてその後修正された
神奈川県小田原市の生活保護担当職員が、「保護舐めんな」との文言をプリントしたジャンパーを着ていたことが発覚した。(参照:
「生活保護『なめんな』、上着にプリント 小田原市職員ら」2017年1月17日 『朝日新聞』)
上記朝日新聞の記事によると、このジャンパーには、「我々は正義。不正を見つけたら追及する。私たちをだまして不正によって利益を得ようとするなら、彼らはクズだ」と不正受給を批判する内容の英文が記載されていたという。
問題発覚を受け、小田原市は1月16日付でこのジャンパーの着用の禁止を決定。翌17日には同市の加藤憲一市長が「配慮を欠いた不適切な表現であり、市民の皆様に申し訳なく、おわびします」とのコメントを発表した。
生活保護担当者は、生活実態把握や自立支援のため、最低でも半年に一度は生活保護受給者を訪問するように法によって定められている。つまり小田原市の生活保護担当者たちは、家庭訪問の度に、揃いのジャンパーに染め抜かれた「生活保護なめんな」「クズ」などの文言を、受給者に見せつけていたことになる。
これでは自立支援どころの話ではない。もはや単なる威圧でありイヤガラセの類だ。支給決定の権限と自立サポートの仕事を兼ねそなえる生活保護担当者は、受給者から見れば、圧倒的に強い立場にいる。その立場にあるものがこのような行為に及ぶことは、もはや差別としか言いようがない。
だが、こうした問題は果たして小田原市だけの問題なのであろうか?