暴力映像によってすべての子供が影響を受けるわけではなかった
「暴力的なシーンが描かれているテレビを子どもが観ると子どもがマネをしてしまい危険だ」
このような意見を聞いたことがあると思います。果たしてこの意見は本当でしょうか?「マネをしてしまい危険だ」の根拠は何でしょうか?
暴力映像と実際の暴力行動との因果関係については様々な科学研究がなされており、状況によって暴力映像が子どもの暴力行動を促進することもあれば、逆に抑制することもあることが見出されています。本日は、表情分析の知見からこの関係を見ていこうと思います。
結論から書きます。暴力映像を観た子どもたちは次のような行動をとることが実験から確認されました。
①暴力映像を観ているときにポジティブな表情をした少年は、ネガティブな表情をした少年に比べて、映像を観終わったあと、暴力的な行動をとる傾向にある。
②少年にみられる①の傾向は、少女にはみられない。
ということがわかりました。それではなぜ・どのようにこのような結論が導かれたのでしょうか。実験の内容をみてみましょう。