国連制裁・韓国人客激減でも東南アジアの北朝鮮レストランが不滅な理由とは?

 プノンペンには北レスなど北朝鮮関連の飲食店が2、3店舗ほど確認されている。平屋の平壌レストランは、円卓などで80席ほどあり、訪れた日は平日にもかかかわらず8割ほど埋まっていた。興味深いことにお客の7割は中国人団体客で占められおり、他には白人やアジア系の客などが飲食していた。

大型テーブル席で賑わう中国人グループ

 午後7時からは北レス名物のステージショーが20分ほどあり中国の北レスと同じような中国語の歌も披露された。一方、ショーへ出演しない北朝鮮女性スタッフが客へ目を光らせており、スマートフォンをステージへ向けた瞬間に飛んできて注意していた。ある若い中国人女性は何度も注意され店側と揉めていた。そんな光景も中国と似ている。  北レスでの撮影は禁止という店が多い。以前、撮影が緩くなった時期もあるが、今年4月、中国での集団脱走事件以降、監視が強化されたのか撮影が厳しくなり、スタッフとの雑談も減った印象がある。

キムチや漬物などの北朝鮮料理定番メニュー

 メニューは各国で似たような感じだが、看板メニューである平壌冷麺は7ドル(約820円)。北朝鮮ビール「大同江ビール」は置いていない。予算は1人20ドル(約2350円)くらいと中国の北レスよりやや高い。

朴槿恵スキャンダルで北レスも復調

 そんな北レスを巡る環境は今年一変した。4月に中国の北レスから前代未聞の集団脱走、韓国入国と韓国が発表。それ以降も韓国発で北レスが何店閉店したなど苦戦を伝える発表を相次いで発するなど韓国は3月に決議された国連制裁を積極的に履行した成果だと強調することで朴槿恵政権への支持獲得に利用していた。  しかし、朴大統領のスキャンダルで、実は、朴大統領の北朝鮮に対する強い態度や言動は、崔順実容疑者一族による入れ知恵で、さしたる根拠がないとの疑惑が持ち上がり大きくトーンダウン。しかもその前の今年7月ごろからは、韓国が閉店続きだと主張してきた北レスに復活の動きが見られ、バンコク(タイ)、大連(中国)、丹東(中国)などで新店舗がオープンしているのだ。
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減った韓国人客に変わる中国人客
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