恥ずかしいという感情は「次からは間違えをしないように注意しよう」という行動に向かいやすいため、特段問題はありません。もし同様の問題を解くときにも生徒が苦労していたら、アシストしてあげるとよいでしょう。
しかし、怒り表情と恐怖表情には注意が必要です。
例えば、怒りという感情は「目的を阻む障害を破壊しよう」という行動に向かいます。怒り感情の矛先が、出題者による間違えの指摘である場合、子どもはその指摘を障害と思っているのです。この傾向が正されない限り、間違えを正すチャンスを失ってしまうでしょう。「間違ってもイライラする必要はないんだよ。」「間違いを一つ一つ正すことで、正解というゴールに近づけるんだよ。」と言ったような言葉のかけ方が必要となってくると思われます。
恐怖という感情は「安全な場所へ逃げたい」という行動に向かいます。恐怖感情の原因が間違えをしたことにある場合、間違うことは怖いことではない、と子どもの意識が変わらない限り、間違うことを恐れてしまい、同様の問題や難しい問題に挑戦することを回避するようになってしまう可能性が考えられます。