税制上の優遇措置が設けられているという点で、DCと共通しているのが「NISA」(少額投資非課税制度)だ。もっとも、図を見れば明らかなように、きちんと見比べてみると両者にはかなりの違いがある。いったい、どうやって使い分けるべきなのか?
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「何に投資するのかが決まっていなくても、NISAの場合はとりあえず口座を開いておいて、後から考えるのでもOK。DCではそれが成り立たず、その意味ではNISAよりもハードルが高い」と、理事兼主任研究員の大江加代氏は指摘する。また、前出の深野氏は次のような考えを示す。
「現状のNISAは恒久的な制度ではなく、先々で廃止される可能性もゼロではありません。また、NISAでは投資金額の所得控除はありません。まずはDCによる運用をベースとして、さらに余力があるならNISAの非課税枠にも着目するといいでしょう」
20年後、30年後といった超ロングタームのDCに対し、NISAの税制優遇期間は最長で5年。その一方で、どれだけ大きな利益が発生しても、年間120万円以内の投資で得たものならNISAは完全に非課税だ。こうした点に着目し、DCではオーソドックスな運用に徹しつつ、NISAでは少々アグレッシブなスタンスで個別銘柄を売買するという作戦を取る投資家も多い。一方、経済評論家の山崎元氏はこう語る。
「DCでは外国株インデックスファンド、NISAではTOPIX連動ETFを選ぶといい場合が多いでしょう」
【深野康彦氏】
ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルリサーチ代表。会社勤務を経て、’96年から独立して現職に。新聞、雑誌、テレビなどで活躍。著書に『
ジュニアNISA入門』、『
いっきにわかる! 金持ち老後のつくりかた』など
【大江加代氏】
ファイナンシャルプランナー。「確定拠出年金教育協会」理事兼主任研究員。大学卒業後、野村證券入社。確定拠出年金の制度企画や運営管理、多くの上場企業での制度導入支援に携わる。同社退社後、’14年より現職
【山崎元氏】
経済評論家。楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。共著に『
確定拠出年金の教科書』『
難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください』などがある
取材・文/大西洋平 図版/ミューズグラフィック
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