原ノ町駅に停車する小高駅行きの列車。それより先は福島第一原発があるため現在も不通となっている
今回ルートがつながった最南端の南相馬市小高区「小高駅」は福島第一原発から20km圏内ということもあり、今年の8月12日まで避難指示区域に指定されていた。避難指示が解除された同日に「原ノ町駅」との路線が復旧したばかりだ。「小高駅」の駅前通りで地域再生の活動をするNPO法人「つながっぺ南相馬」の代表、今野由喜さんも常磐線の復旧に対して期待を語った。
「もともと南相馬市は、阿武隈山系をはさんだ福島市や郡山市ではなく、仙台に通学や通勤をする人が多い地域でした。ですが、津波でJRが不通になったことで仙台との行き来が難しくなり、すぐ南側には福島第一原発があります。
南相馬市小高区は今年の8月に区域指定が解除されたばかりで、もともとの人口約1万3000人のうち戻ってきているのは1000人以下。震災前にあった工場なども移転してしまい、若い世代が働く場所がありませんでした。今回、仙台駅から小高駅までが通じたことで、仙台で働く若い世代が小高に戻ってきてくれないかと期待しています」