パイプライン経由だけでなくLNG輸送でもロシア産天然ガスは有望
石狩新港に建設中のLNG
一方、ロシアからタンカーでLNGを新潟に運び込み、ガス火力発電所で発電することも可能。北海道の石狩湾新港でも、ロシア産LNGを使う予定のガス火力発電所(180万kW)が建設中だ。
新党大地代表の鈴木宗男氏も11月24日、永田町で開かれた新党大地塾でこう訴えた。
「石狩新港に、北海道ガスが一基60万kWのガス火力発電所を三基作ります。北海道電力の泊原発が150万kWですから、これで原発がいらなくなるのです。『21世紀は環境の世紀』と言われていますが、天然ガスは石油に比べて地球温暖化ガスの排出量が少なく、環境にも優しい。隣国ロシアは世界一の資源大国なわけですから、これを使わない手はない。専門者会議でも『ロシアからのエネルギー供給が3割に増えても脅威にならない』という議論は出ています。いまロシアの日本に対するシェアは1割。まだまだ伸びしろがあるのです」
ガスパイプライン経由でもLNG輸送でもあっても、ロシア産天然ガスの輸入拡大をすれば、原発再稼働の必要性が薄れて原発ゼロ実現の追い風になる。それと同時に、日本のエネルギーの中東依存度を減らす効果も併せ持つというのだ。日露経済協力の進展が、今後の日本のエネルギー政策にどんな影響を与えるのか要注目だ。
<取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『
黙って寝てはいられない』小泉純一郎/談、吉原毅/編に編集協力)>