香港の国内リーグ(プレミアリーグ)は、秋から翌春に掛けて開催する秋春制で行なわれており、東方が香港王者となった5月の段階では、まだ「ACL」にストレートインすることは確定していなかった。ベトナムと香港の順位の入れ替わりが明らかになったのはオフになってからで、東方はプレシーズンに向けて活動予算の準備と戦力の補強を急ぐことになる。
ところが、リーグの開幕を控えた東方に想定外の激震が走る。これまで活動を支えてきたメインスポンサーが突如撤退を発表して、東方はリーグへの参戦を一旦白紙に戻した上で、念願であり目標だった「ACL」参戦を辞退表明したのだ。
この東方の辞退に、香港サッカー協会は即座に対応した。第二代表だった傑志を第一代表に繰り上げ、第二代表の枠に次点扱いだった南區を繰り上げて、アジアサッカー連盟に通知したのだ。
メインスポンサーを失った東方は活動資金集めに奔走して、リーグ開幕前までに新スポンサーを獲得。限られた予算の中でリーグ戦に照準を絞った。一方で繰り上がった傑志と南區は、アジアサッカー連盟の正式承認がないままの状態で、活動予算の補正と戦力の補強に動かざるを得ず、事態の推移を伺いながらリーグ戦を消化していくこととなる。
しかし、香港サッカー協会の目論みは、アジアサッカー連盟からの1通のメールで、見事なまでに外されることになる。11月も終わろうとしていた時期になってから、傑志と南區の繰り上げ非承認を決定した上で、香港サッカー協会が第一代表枠を辞退したと判断、その枠(ストレートイン枠)を中国または豪州の第三代表に振り替えると通知してきたのだ。