11月12日、中間決算で営業黒字転換を達成した東芝だが、平田政善CFOは「財務体質は依然として厳しい」
11月28日、岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長が市の雨水浄化装置の導入に際して業者から現金30万円を受け取り、受託収賄罪に問われた裁判の二審判決がありました。その判決は驚きの一言でした。一審の無罪判決を取り消し、執行猶予付きの懲役1年6月の有罪判決を言い渡したのです。私は、これで東芝の不正会計問題の刑事事件化の芽は完全に潰えたと見ています。
美濃加茂市長の裁判とどう関係があるのか?
実は’14年に藤井市長を逮捕した名古屋地検の長谷川克弘検事正(当時)は、次期証券取引等監視員会委員長に内定している人物なのです。
’15年に発覚した東芝の不正会計問題では計2306億円もの利益の水増しがあったことが明らかになっています。ライブドアの53億円、オリンパス事件の1176億円の粉飾決算と比較しても、その金額の大きさが際立ちます。そのため、証取委は’15年12月に史上最高額となる73億円の課徴金納付を金融庁に勧告し、さらに不正会計を指示したとされる歴代3社長の刑事告発に向けて準備を進めていました。しかし、’16年7月に検察庁は「3社長は不正の認識が希薄だった」として証取委に立件が難しいことを伝えます。対して証取委は’16年10月に任意で歴代3社長を事情聴取。その事実をリークして報道させたことで、検察と証取委の対立が表面化しました。証取委の佐渡賢一委員長は’16年12月末の退任までに、何としても刑事事件化させると意気込んでいたのです。