“手のひらサイズ”の人工衛星が拓く宇宙革命!ブームになりつつある超小型衛星に秘められた可能性とは?
こうしたキューブサット、あるいはそれより少し大きな数十kgから100kg程度の小型衛星の需要の高まりに呼応するように、世界中で今、小型衛星の打ち上げに特化した小型ロケットの開発も進んでいる。これまでキューブサットは、別の大型衛星の打ち上げ時に、ロケットの余剰能力を利用して相乗りさせてもらう形で打ち上げられることが多かった。しかしそれでは打ち上げ時期や、衛星が飛ぶ軌道を自由に選ぶことができない。もし超小型衛星の打ち上げ専用のロケットがあれば、その不便が解消されることになる。
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【参考】
・ほどよし3・4号の開発と運用成果(http://laseine.ele.kyutech.ac.jp/news/img_news/hodoyoshi3-4_review_20150313.pdf)
・株式会社アクセルスペース(https://www.axelspace.com/)
・Electron – satellite launch vehicle | Rocket Lab(https://www.rocketlabusa.com/electron/)
・Firefly α | Firefly Space Systems(http://www.fireflyspace.com/vehicles/firefly-a)
現在米国ではロケット・ラボ、ファイアフライ・スペース・システムズ、ヴァージン・ギャラクティックという3社が、この分野の現時点でのトップランナーとして開発競争をしており、他にも米国はもちろん、欧州やロシアなどでも同様の企業が次々と現れてきている。日本でもインターステラテクノロジズが小型ロケットの開発を行っている。
超小型衛星は、それ単体でも十分な可能性があり、さらに複数の衛星を打ち上げ、それらを連携させることで、大型衛星にはできないようなこともできるようになる。また初期投資や開発費が小さく済む分、これまで宇宙とは縁のない企業による利用が期待でき、そこから今まで誰も考えられなかったようなイノベーションが生まれることも期待される。
それはスマートフォンのように、私たちの生活を根底から変えるようなものかもしれないし、あるいは衛星同士でレースをするような、今の基準からすると無駄やくだらないと言われてしまうような、けれどもおもしろいものかもしれない。
超小型衛星には、その小ささからは想像もできないほどの、大きな可能性が秘められているのである。
<取材・文・写真/鳥嶋真也>
とりしま・しんや●宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。
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宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。
著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆。
Webサイト: КОСМОГРАД
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