2014年に厚生労働省は、日本においてギャンブル依存の疑いがある人は536万人に及ぶと発表した。
その多くは「パチンコ」の遊技経験者であると容易に推測される。一方、日本生産性本部が発行するレジャー白書によれば、2014年のパチンコ参加人数(1年に1回以上パチンコをやったことがある人数)は1180万人と発表している。
単純な話をすれば、1年に1回以上パチンコ店で遊ぶお客の、2人に1人が「依存症」ということになる。
パチンコ業界を擁護する訳ではないが、仮にこれが数字のマジックのような話であったとしても、国会におけるカジノ反対派の議員の方々が、「536万人依存症」説を安易に取り上げるのはいかがなものかと思う反面、依存問題に悩む人や、その家族が多数存在するのも事実。今は「536万人」の正確性を問うことが正しいことではない。仮にこれが「100万人」であっても、依存問題が深刻な問題であることに変わりはない。
カジノであろうが、パチンコであろうが、更に言えば、パチンコが娯楽であろうが、ギャンブルであろうが、それを通じて個人や家族の生活の破たんの恐れのある人が確実に存在するということを直視し、その実態に沿う形で、この問題の解決に向けた取り組みをもっと真剣に議論すべきであるし、より多くの対策を講じる必要があるだろう。<文・安達 夕>