photo by Iseki
2020年の東京五輪で追加種目に選ばれるなど、にわかに注目を集めるスポーツ「スケートボード」。その勢いは日本国内にまで波及。ファッション、デザイン業界に多彩な人材を輩出する「バンタンデザイン研究所」は来年4月、日本初のスケートボードの高校を開講する。
スケートボードはクリエイティブなカルチャーとのつながりも深く、「Supreme」といった人気ブランドも実はスケートボードが発祥だ。一体、どのような学校になるのか。バンタンデザイン研究所の細井信宏部長に話を伺った。
――企画立案の経緯は?
バンタンデザイン研究所の細井信宏氏
細井:そもそもバンタンは今年で51年目を迎え、クリエイティブ分野に特化したスクール運営事業を行っていますが、3年前にサッカーや野球などスポーツ業界の職員やマーケティングの専門家を育成する「バンタンスポーツアカデミー」を開校しました。
そのとき、私自身、さまざまなスポーツ業界の方とお会いしたのですが、驚いたのが、アメリカと比較して、日本のスポーツ市場規模が極端に少ないこと。
――アメリカのスポーツ産業の市場規模が60兆円ある一方、日本では5兆円とも言われていますよね。
細井:地域社会にスポーツが文化として根付いていないなど、理由はさまざまに考えられるのですが、これはビジネスとしてまだまだ可能性があるだろうと考えました。
――なぜスケートボードが選ばれたのでしょう?
細井:スケートボードにはクリエイティブなことや、新しいカルチャーを生み出す力があります。例えばスケートを始めると、デッキやスニーカーやファッションにこだわり始める。また、自分の滑っている映像をスマホで撮影、編集し、アップする人も多い。その工程で映像編集や音楽などのセンスも研ぎ澄まされるのです。
スケートボード&デザイン専攻のパンフレットとステッカー
スノーボード、スケートボード、サーフィンといった横乗り系スポーツは「3S」と呼ばれるのですが、一番安価に始められるのがスケートボード。他の2つはグッズ一式揃えるのに10万~20万円かかり、わざわざ海や雪山に出掛けなければならない。その半面、スケートボードは1万円あれば、それなりのデッキが買えるし、ドアを開けたらすぐに遊べるなど非常に身近なスポーツなのです。