その中でも、深刻な影響が懸念されているのが飲食店である。
外国人観光客には良いとしても、国内の既存客にとっては決して良いこととは言えない。喫茶店・カフェでいえば、近年「完全禁煙のスターバックスコーヒー」の台頭により、「タバコの吸えないスタバ」、「タバコの吸えるドトール(分煙)」のような住み分けが出来るようになってきたが、今後、「原則建物内禁煙(喫煙所設置可)」の対策案が決まれば、いくら喫煙室を設置したからと言っても、ドトール等の喫煙が出来るカフェへの影響は不可避である。余談ではあるが、ドトール常連の喫煙者である筆者の場合、コンビニで買った、屋外喫煙所での青空コーヒーが主流になると思われる。
特に居酒屋などのお酒を提供するお店にとっては死活問題である。
お酒とタバコ。喫煙者にとっては抜群の相性であり、普段吸わない人でも、お酒の席ではちょっと一本ということもよくある。深刻なのは売り上げへの影響だ。
「建物内完全禁煙」であれ、「原則禁煙(喫煙所対応)」であれ、客数が減ることはあれ伸びる要素はほぼない。まして喫煙所の設置(厚生労働省では煙が外に漏れない設備を求めている)となれば、売上面積の減少に加え、設備投資費もままならない。都内の飲食店経営者は、「どうせなら建物内完全禁煙にしてほしい。設備投資もいらないし、皆が同じ条件であれば、まだ競争しようがある」と言う。