“イチゴ冬の陣”到来!王者「あまおう」に挑む「紅ほっぺ」「スカイベリー」

田中裕司

2位は静岡のあのブランドが猛追

紅ほっぺ

静岡の主力「紅ほっぺ」。生産地を福岡県内に限定する「あまおう」と違い、愛知など他県でも生産されている

 バイヤー調査2位は「紅ほっぺ」。いちご栽培100年以上の歴史を誇り、戦前・戦後の一時期、市場を席巻するイチゴを送り出した静岡県のエース。「ほっぺが落ちるほどのおいしさ」から命名された。さらに昨シーズン、静岡県は新たにプレミアム・ストロベリー「きらぴ香」の出荷をはじめた。宝石のような輝きとフルーティーな香りなどがセールスポイントだ。

出荷量日本一の栃木県が生んだ“新星”「スカイベリー」

 大粒化に拍車がかかるなか、イチゴの収穫・出荷量48年連続日本一の「いちご王国」栃木県がデビューさせたのが「スカイベリー」だ。「大きさ、美しさ、おいしさ」すべてが大空に届くようにとの願いと、栃木が誇る百名山「皇海山」(すかいさん)の雄大なイメージを重ねて名づけられた。期待の“新星”は、気品漂う円錐形の見た目と糖度と酸度のバランスの良さを消費者にアピール中だ。バイヤー調査では「希少性の高さ」などが評価されて9位に入った。

 栃木の農協関係者は、「出荷をはじめてまだ3年目、これから信頼を高めたい」と話す。30代女性をターゲットに高級フルーツ店への売り込みに力を入れる。農家も「口に入れた瞬間のみずみずしさやボリューム感はプレミアム級。一粒ひとつぶがスイーツと言ってもいいくらい。みなさんに味わっていただきたい特別なイチゴ」とPRする。

 イチゴ出荷量3位の熊本県も昨シーズンに新品種「ゆうべに」を売り出した。大粒で実の中まで色鮮やかに赤いのが特徴。“至高の一粒”の座をめぐる競争は一段と白熱しそうだ。

<取材・文/田中裕司>

たなかひろし●ノンフィクションライター。著書に、「不可能」と言われたイチゴの自然栽培に挑む30代農家の姿を描いた『希望のイチゴ~最難関の無農薬・無肥料栽培に挑む~』など

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希望のイチゴ

難題に挑む農家・野中慎吾の、試行錯誤の日々を描く

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