そんな大富豪が支援するミャンマーサッカーだが、近年、その躍進を最も印象付けたのは、2014年のAFC U-19選手権ベスト4進出と2015年のU-20ワールドカップ初出場だろう。この他にも、23歳以下を対象とした“東南アジア版オリンピック”のSEA Games 2015で銀メダルを獲得するなど、急速に力をつけてきていることは間違いない。
自国開始する今年のスズキカップに向けて、ミャンマー代表は約6週間に及ぶヨーロッパ遠征を実施するなど、MFFは代表チーム強化に投資を惜しまなかった。ドイツ人のゲルド・ツァイゼ監督率いる現在のミャンマー代表は、若きエースストライカーであるアウン・トゥーをはじめ、20歳前後の選手が多く、非常に若いチームで伸びしろがある。
かつてベトナム代表を率いて、現在はインドネシア代表監督を務めるアルフレッド・リードル氏は、「ミャンマー代表は日増しに成長しており、今大会のダークホースになるだろう。」と語っており、その実力を高く評価した。
MFFのゾー・ゾー会長がミャンマーサッカー復権を目指して、まず注力したことは育成年代の強化である。会長は長年培った経済界でのコネクションを最大限に活かし、練習施設などのハード面および指導者やトレーナーなどのソフト面の双方を整備。会長自身も積極的に投資して若手育成に尽力した。