紙媒体の書籍・雑誌の市場規模の減少トレンドに反して、伸びていく電子書籍・雑誌

 一方、電子媒体の書籍・雑誌の市場規模トレンドはどうか?実は、電子書籍・電子雑誌の市場は伸びている。  今年7月、インプレス総合研究所は、電子書籍市場の動向を調査し、電子書籍に関する調査結果を発表した。2015年度の電子書籍市場規模は1,584億円と推計され、2014年度の1,266億円から318億円(25.1%)増加した。電子雑誌市場規模は242億円(対前年比66.9%増)と推計され、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,826億円となった。2016年度以降の日本の電子書籍市場は今後も拡大基調で、2020年度には2015年度の1.9倍の3,000億円程度になり、電子雑誌市場規模480億円と合わせた電子出版市場は3,480億円程度と予測している。(参照:インプレス総合研究所)  2013年度時点では、紙の書籍8千億円、雑誌9千億円(月刊誌7千億円、週刊誌2千億円)に対して、電子書籍936億円、電子雑誌77億円で電子書籍雑誌の市場規模は1,013億円で、紙媒体の5.9%となっている。  紙の書籍、雑誌の市場が今後も下落を続けると仮定すると、電子書籍雑誌市場が2020年には2013年の3倍超になることから、2020年には電子書籍雑誌が紙の書籍雑誌の2割程度まで比率が拡大する可能性があると考えられる。  単純化は禁物だが、紙の書籍雑誌が電子媒体のものに代替されていると言ってもおかしくはないだろう。
次のページ
読み放題サービスの成長
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会