紙媒体の書籍・雑誌の市場規模の減少トレンドに反して、伸びていく電子書籍・雑誌

Tata Chen / PIXTA(ピクスタ)

 11月22日、出版社の業界団体「日本書籍出版協会」が全国およそ2500の公共図書館に出版物の販売額が減少する中、図書館が人気の本を大量に購入したり、寄贈を求めたりして貸し出すことは、出版文化の衰退を招くとして、出版社の団体が節度ある購入や寄贈の受け入れを求める文書を送った。(参照「読売新聞」)  そんな中、同日に日販が2016年4~9月期連結業績を発表した。売上高が前年同期比2.7%減の2970億円、営業利益は33.6%減の7億円。雑誌の落ち込みに歯止めがかからず、更に書店店頭の売上減少や輸配送効率の悪化がマイナスのインパクトを与えた。雑誌は、定期誌・ムックともに店頭売上の落ち込みが続いている。(参照:「日販」)  本が売れない、出版不況だと言われてから、ずいぶん時間が経過した。日本の出版界市場は、1996年を頂点にして下降を続けている。出版物の取次会社である日販は、“紙の出版物の売上は減少し続け、特に雑誌の落ち込みは業界の大きな課題となっています。市場の縮小に伴い、出版社や書店の数も年々減少しています。”(参照:日販「出版業界の現状」)としている。  出版科学研究所による日本の出版統計によると、紙媒体の「書籍」の市場規模は、1996年の1兆1千億円から2013年の8千億円まで下落トレンドが続いている。紙媒体の「月刊誌」の市場規模も同様に、1996年の1兆2千億円から2013年の7千億円まで下落トレンドである。さらに、紙媒体の「週刊誌」の市場規模は、1996年の4千億円から2013年の2千億円まで半減しており、最も下落が大きい。(参照:出版科学研究所
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