『海賊と呼ばれた男』のモデルとなった出光興産。お家騒動だけじゃない経営危機とは?
2016.12.05
石油元売りで業界第2位の出光興産。12月10日には創業者をモデルにした映画『海賊と呼ばれた男』が公開される同社は「お家騒動」で揉めている。業界第5位の昭和シェルと合併する話が進んでいたにも関わらず、創業家がこれに反対し、ついには現経営陣が合併をほぼ断念するまでに至ったのだ。
石油業界では、圧倒的トップシェアを持つJXホールディングスが業界4位の東燃を買収する話が進んでいるなど、国主導で業界再編が起きている。この業界の実情と、出光興産の未来を決算書から読み解いた。
石油の開発から輸送、国内での精製、そして販売までを一貫して行う石油業界は、大手5社におおむね集約されている。その中でも首位のJXホールディングスが頭一つ抜け出しており、’15年度には8.7兆円の売上高がある。対して、2~4位までは昭和シェルの2.1兆円から出光興産の3.5兆円までと、拮抗している。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=118790
それにしても、他の業界と比べて売上高の規模が桁違いである。JXが第8位にランクインしているのを筆頭に、5社とも日本の全上場企業の中でトップ100に入る売上高を誇る。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=118791
その割には正社員の数はJX以外、1万人未満であり、1人あたりの売上高あたりのランキングでは石油業界はさらに上位に来る。トップの東燃はなんと社員1人あたりで8億円近くも稼いでいる計算だ。
石油業界大手5社の財務状況は?
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