メルケルの決意。トランプ大統領誕生を前に、来年の選挙で4期目に挑むと表明

白石和幸

photo by European People's Party via flickr(CC BY 2.0)

 メルケル首相は来年9月の総選挙で首相として4期目を挑むことを11月20日に公にした。

 彼女の決定を後押ししたのは、EU、そしてドイツを取り囲む以下のような背景だ。

・今年6月に英国がEUからの離脱を決定。
・9月はドイツの二つの地方選挙でキリスト教民主同盟(CDU)が大敗。この二つの選挙で躍進したのは極右派政党「ドイツの為の選択肢(AfD)」。
・11月になると米国で極右でグローバル化に反対のポピュリズムのトランプ氏が次期大統領になることが決定。」
・ドイツ国内の左派の動きとして社会民主党、緑の党、左翼党の3党による連立政権を狙う動きが生まれている。

 これらの出来事が影響してメルケル首相は4期目に挑む決心をした。その根底にあるものは、メルケル首相がトランプ氏に祝辞を送った中で述べられている。

 その祝辞とは<「民主主義、自由、法の尊重、そして出身、肌の違い、宗教、種族、男女、意見の違いに関係なくひとりの人間としての尊厳を価値の基本とした上で協力する」>という姿勢である。この姿勢を守り抜く為に次期連邦選挙に首相候補として立候補すると決めたのである。(参照『El Espanol』)

 彼女のこの決断を支持するかのように、ドイツの『ビルド・アム・ゾンターク』紙の11月20日の世論調査では、<55%の国民が彼女を支持する>という結果が出ている。(参照『La Vanguardia』)

 また別の世論調査でも、<71%の国民がメルケルを支持している>ことが公表されている。(参照『El Pais』)

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