渋谷の各地で進む「駅移設」――メトロを運休させた大工事もその一環だった!
2016.11.17
開通当時は「東京の渋谷じゃ地下鉄が、ビルヂングの三階から出入りする、ハハのんきだね」(「昭和八年 澁谷驛」より)と唄われるほどの名物となっていた銀座線渋谷駅であったが、開業から約80年を経て老朽化が進み、また、同じく築80年を超える東急百貨店東横店自体の建て替え計画も持ちあがるようになった。さらに、渋谷駅に乗り入れる路線も増え、乗り換えの不便さも指摘されるようになっていた。
そこで、現在の東急百貨店内にある相対式ホームの渋谷駅を、現在より表参道寄りの明治通りの真上の橋上に設置される島式ホームへと移設することになったのだ。
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この移設により、JR線とは同一フロアでの乗り換えが可能となるほか、新たに渋谷ヒカリエにも銀座線の改札口が設けられるため、その直下に位置する東急東横線・東京メトロ副都心線との乗り換えの利便性も大きく向上する。
また、駅移設と鉄橋の架け替えにより、明治通り附近の東京メトロの橋脚が現在の7基から3基に減ることになるため、駅前広場と明治通りの混雑・渋滞の緩和にも期待が寄せられている。
駅移設に伴う工事は2009年に開始されており、今回銀座線を運休して行われた工事は、橋の架け替えの準備工事にあたる。電車を運休させ、これまでの線路を南にずらし、今後はこれまで線路が設置されていた場所を利用して新たな橋を架ける工事が行われることになる。
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簡単に言えば、今回の工事では、線路が数メートル南に移動しただけであるため、運休を伴う大規模な工事でありながら、実際に乗車していても工事前後で殆ど違いが分からないのは当然である。
こうした工事による銀座線の運休は、1945年の空襲復旧工事以来だと思われ、銀座線渋谷駅の移設工事は今後2019年まで続く予定となっている。
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