彼女の知人も、デモに参加しています。いったいなぜデモに参加するのか。その質問に対する答えが今回のデモの難しさの一面を物語っています。
「勘違いしないでほしいんだが、別に俺はヒラリーに大統領になってほしいからデモしているんじゃない。このデモは、トランプという人間に対する怒りを表しているデモなんだ。」
つまり、デモ参加者が必ずしもヒラリー・クリントン氏の支持者とは限らないということです。
大統領選の最中から、今回はどちらが大統領としてマシなのかを決める選挙戦と言われてきました。ヒラリー・クリントン氏を支持した人の中にも、トランプ氏を大統領にしたくがないために彼女に支持をしたという人が大勢います。そういった人たちは、トランプ氏という、人種に関わる過激な発言が多かった人物が大統領になることに対し、やり場のない「怒り」と「恐怖」を感じています。
デモは起こるもの。英国のEU離脱が決定した時もデモをしていた。そのような意見がちらほら聞こえてきます。ただ、今回のエピソードから垣間見えるのは、今回の反トランプデモの目的がトランプ氏そのものへのデモであること。反対のヒラリー氏を支持するためのデモとは必ずしもいえない、複雑化したものなのです。